【JTA/TENNIS FAN #215】 北京パラリンピック車いすテニス・国枝が圧勝で悲願の金メダルを獲得!
◇ 北京パラリンピック車いすテニス【9月15日 第8日】 国枝が圧勝で悲願の金メダルを獲得! --------------------------------◇
■国枝慎吾は勝利が決まるとラケットを放り投げ、天に向かって叫び喜びを爆発させた。アテネパラリンピックからの4年間、北京で金メダルを獲るために過ごしてきた時間が、この瞬間に終わった。両手で顔を覆い、涙を流す国枝の胸には、喜びよりも先に脱力感がわいていた。
■「北京パラリンピックで金メダル」という夢を持ったのは、アテネパラリンピックからだった。20歳で初出場したアテネパラリンピックのシングルスの成績は、ベスト8。世界ランキングトップ10にも入っていなかった。ダブルスでは金メダルを獲得したが、プレッシャーに押しつぶされそうだった。しかし、この北京では気力も体力も充実し、世界王者という自信を持って臨み、完璧な勝利を収めた。
■しかし、不安な材料もあった。7月に行われた車いすテニスの四大大会の一つ、ブリティッシュオープン(スーパーシリーズ)に出場中に体調を崩した。その大会では、なんとか優勝を果たしたものの、翌週にエントリーしていた大会をキャンセルし、帰国した。また、北京パラリンピック直前の仙台での合宿に参加したが、それも体調を崩し途中で合宿を切り上げた。
■北京に入る直前には、ほとんど練習はできなかった。「北京に入る前は、焦りと不安でいっぱいだった」と国枝は話した。北京入りしてからは体調は万全だったが、気候やコートサーフェスの違い、ガットのテンションなど、細かいことに迷いが生じていた。だが、シングルス準々決勝から、その迷いもなくなっていった。ダブルスの準決勝で敗れはしたが、銅メダルを獲得したことが、シングルス優勝へつながった。
■決勝の相手は、準々決勝で斎田を下したオランダのロビン・アマラン(第2シード、世界ランキング2位)。国枝とアマランとの過去の対戦成績は12対11で、ほぼ互角。しかし、2007年7月の大会以降、国枝はアマランに負けていなかった。第1セット序盤から、試合は完全に国枝のペースだった。アマランは、何とか国枝を崩しにかかるが、サーブの確率も低く、国枝を楽にさせていった。第1セット、6−3で奪った国枝は、第2セットも攻撃の手を緩めることなく、6−0の完勝で勝利した。
■勝利の要因は、サーブとリターンの精度の差。そこに2006年から取り入れたメンタルタフネスの指導を受け、勝つための「心」も強化してきた。4年間で築きあげた自信とメンタルの強化によって、金メダルをつかんだ。
■「グランドスラムで優勝しても、コートを出た瞬間から北京に向けてやるべきことを考える日々でした。これが終わり、今日ようやく喜べました」(国枝)。斎田とのダブルスの銅メダルと、夢に見続けたシングルスの金メダルを胸に、世界王者はやわらかい笑顔を見せた。
(酒井 朋子)
【8日目の成績】
◆男子シングルス決勝
○国枝慎吾[1] 63 60 ロビン・アマラン(NED)[2]
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※9月28日(日)に開催されるAIGオープンのイベント「AIG SUNDAY」で、国枝慎吾 vs 斎田悟司のエキシビションマッチが行われます。北京パラリンピックで金メダル、銅メダルを獲得した両選手のパフォーマンスを、有明コロシアムで堪能してください!
※「AIG SUNDAY」に関する詳細は下記のページをご覧下さい。
http://aigopen.jp/08/events.html#aigsunday/